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次世代カプセル内視鏡Sayaka
   
       
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ホームお知らせ2003年お知らせ一覧>8月14日日本産業新聞掲載
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『日本産業新聞』 2003/8/14

「潜水艇に乗り込み、人体内部から手術するしかない」――。一九六六年度の米映画「ミクロの決死圏」では何でも縮小できる技術を使い、手術担当者を乗せた潜水艇を細菌大まで小型化。血管の中を脳まで進み、脳内出血を起こした科学者の命を救った。
 さすがに人間を縮小することはできないが医療用マシンの開発で実は、日本は最先端を走っている。
「お盆明けから大学などに研究用として本格的に出荷を始める」――。小型監視カメラなどを開発するアールエフ(長野市)の原山広一朗研究本部長はほっとした表情だ。同社のカプセル型内視鏡は直径九ミリメートル、長さ二十三ミリメートルの本体に超小型のデジタルカメラを内蔵。飲み込んだ後、発光ダイオードで体内を照らしながら電荷結合素子(CCD)カメラで撮影を続け、最後には排せつする仕組みだ。
 同社は口腔(こうくう)内を撮影する電動歯ブラシ型のカメラや、親指サイズの監視カメラなどを開発してきた。カプセル型内視鏡も「飲み込みやすいように、さらに小型化したい」(原山研究本部長)という。

 内視鏡市場で世界の七割を押さえるオリンパス光学工業もカプセル型マイクロマシンの開発に動き出した。四月、同社の内視鏡事業部内に特命部隊「CPプロジェクトチーム」がひそかに発足した。CPとはカプセルの意。カプセル型内視鏡開発に特化したチームだ。近く研究開発センターにも関連プロジェクトチームを立ち上げ、二チームが共同で本格開発に取りかかる。
 ターゲットは内視鏡では見えない小腸。「すでにプロトタイプはできた。今後はいかに内視鏡と同じ使いやすさまで近けるかだ」。寺田昌章・取締役常務執行役員研究開発センター長は開発の方向を示す。
 カプセル内視鏡はイスラエルのベンチャー企業、ギブン・イメージングも開発を終え、事業化を進めている。ただ、ギブンの技術は「何とか出血源はわかりそうな程度」(寺田氏)という。アールエフでも「十分な画質を確保できるように今後、性能を上げる必要がある」(原山研究本部長)とみる。

 

病状が進行しているかどうかを視診するには肌色やピンク色など色彩を含めた鮮明な画質が必要。CCDの性能は急速に向上しているが、各社とも診察に使えるだけの画質が今後の課題だ。オリンパスはさらに先を視野に入れる。「ミクロの決死圏」では潜水艇に乗り込んだ手術担当者がレーザービームを使って治療に活躍した。オリンパスは「内視鏡が普及したのも、ただ腸内が見えるからではない。見ながら患者を処置できることが大きい。そこまで到達したい」(寺田氏)と目標を掲げる。
同社が描く構想はまさに「ミクロの決死圏」そのものだ。まず超小型カメラを内蔵し、治療に必要な薬品も備えたカプセルを飲み込む。医師はカプセルを自在に操り、患部を見付けるとカプセルから超小型の脚を伸ばして目標に接近。薬品を投じて治療する。
研究開発センター管轄のMEMS事業部門が、処置用の微小器具やカプセル移動技術を今後開発する。寺田氏は「以前はミクロの決死圏の世界なんて五十年かかっても実現しないと思ったが、今は手が届くと信じるようになった」と語る。
 カメラ付き携帯電話の性能が急速に向上する日本は、超小型デジカメの製造技術や部品開発の最先端にいる。カプセル型医療機器は飲み込んで使うだけに、安全・信頼性といった日本企業の"得意技"も生かせれば、先頭を走り続けることは夢ではない。

 

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