数億、数千万円の医療機器。おそらくメーカーの利益も大きいだろう。しかし、私たちはそこを見ていない。空調の効いた快適な研究室で、高名なドクターがうやうやしく使う医療機器ではなく、僻地や過疎地、あるいは発展途上といわれる国々の医療の現場で、当たり前のように使える製品をつくる。それこそが使命だと考えている。
特にアジア・アフリカの途上国と言われる国においては、乳幼児の早期診断、予防治療の確立が急務だ。快適なアームチェアに座っているドクターのためではなく、過酷な現場を、ドロドロになりながら走り回っているドクターのために。そして彼の到着を首を長くして待ち望む子供や家族のために、私たちは今までになかった医療機器をつくっていく。
先端医療機器の研究を目的とした大学院大学を設立する。
電子工学をすでに習得した者を対象に、「技術を売る」ノウハウを教える。製品の開発技術のみならず、医師を中心とした臨床試験、薬事法、特許法、経営マネージメント、マーケットリサーチ、販売など製品化から企業経営にいたる内容を実践で学ぶ。また、海外医科大学などへの短期研修制度も盛り込む。
各専門分野の医師や多職種の人材を講師として招き、各専門分野につき概要から最新動向までをレクチャーしてもらう。また、各専門医学において今後必要となる医療機器などの提案をしてもらい、医療現場で本当に必要とされる製品について発想から実用化までを講師と共に研究していく。医療機器研究中に発生する技術は民生・産業への転用も進める。
教育課程は3年制の博士課程のみとし、1学年15~20人程度。授業料は全額無料で、月20万程度の生活補助費を支給する。卒業生には、一年以内の起業を目的に1億円まで5年間の無担保、無金利融資をする。
“MedTech Valley” プラン - 卒業生を中心にして、将来長野・日本を、世界へ向けた先端医療機器の供給基地にしたい。
近年高度化してきた医療機器研究は、テクノロジーのみを追求した代償として患者へのやさしさや配慮を欠いた製品を生み出してきた。例を挙げれば内視鏡検査など、子どもに強いる苦痛ははかり知れない。
現在の医療機器はそのほとんどが成人向けに研究され、それが患児にも転用されている。 小児専用の研究が遅れている理由は、小児科医院の経済的事情、マーケティング規模などが考えられるが、 世界的な規模で考えれば十分な市場がある。
むしろ、小児用に開発された機器を、大人向けにデザイン変更する方が無理がないのだ。